薬剤師国家試験に向けて勉強スケジュールを立てたいんだけど、どうやって立てればいいんだろう?
薬剤師国家試験は、将来の薬剤師としての道を歩むために必要な一大イベントです。しかし、試験の範囲の広さに多くの薬学生は戸惑うと思います。
大前提ですが合格するためには、計画的な学習が欠かせません。ただただ勉強するだけではなく、限られた時間を有効に活用し、効果的な学習スケジュールを立てることが重要です。
そこで、この記事では薬剤師国家試験の合格までの道筋を明確にし、効果的な勉強スケジュールについて解説します。
合格への道筋を明確にし、効果的な勉強スケジュールを立てることで、自信を持って薬剤師国家試験に臨むことができると思いますよ。
また、実際に僕が勉強して感じた体験談や効果的な学習法に基づいた具体的なアドバイスも載せているので、合わせてぜひ参考にしてみてください。
正しいスケジュールが組めれば薬剤師国家試験は余裕で合格できますよ♪
- 薬剤師国家試験までの具体的な流れを知りたい方
- 勉強計画や大まかな点数目標を知りたい方
- 勉強の時の注意点やポイントを知りたい方
薬剤師国家試験までのスケジュール詳細:勉強計画を立てるために知っておく!
まずは勉強の計画を立てるために、薬剤師国家試験までの流れをしっかりと把握しておきましょう。
大学によって多少は前後する可能性はありますが、基本的には薬剤師国家試験までは上記のスケジュールで進んでいきます。
薬剤師国家試験本番は2月の土日が濃厚
令和6年の国家試験日程はまだ詳細情報が出ていませんが、過去の流れからすると薬剤師国家試験本番は2月の土日に行われることが予想できます。
過去の薬剤師国家試験日程(過去5回分)
- 第104回:2月23日、24日
- 第105回:2月22日、23日
- 第106回:2月20日、21日
- 第107回:2月19日、20日
- 第108回:2月18日、19日
※基本的には2月末の土日に行われている
正式な試験日程が出たら更新されると思うので、厚労省のこちらのページでご確認しておきましょう。
>>「薬剤師国家試験のページ」
どちらにせよ薬学生の皆さんは、2月に薬剤師国家試験があることを頭に入れて、勉強計画をしっかりと立てるようにしましょう。
また薬剤師国家試験の会場は例年通りであれば、「北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県及び福岡県」の9会場です。
「自分の大学が毎年どこの会場で受けているのか?」をしっかりと確認しておき、試験会場の詳細情報もチェックするようにしておいてください。
国試までに薬ゼミの模試が計3回開催される
薬ゼミが開催する国試対策模試は大学にもよりますが、ほとんどの薬学生は受験をすることになると思います。
薬学生は国試までに計3回の薬ゼミ模試を受けることになります。(全国統一模擬試験)
下記が今年の薬ゼミ模試の日程です。
薬ゼミの模試は国試を受ける上で、今の自分の実力を把握するためにとても大切な試験です。
この模試では、試験後に自分の成績の総合評価を確認することができます。国試の試験範囲がまだ終わっていなかったとしても9月、11月、1月の時期でどのくらいの点数を他のみんながとっているのか確認して自分のペースが遅れていないか参考にしてみましょう。
ちなみに模試ごとにどのくらいの点数が平均点になるのかを下記に載せておきます。
薬ゼミ統一模試の平均点と得点割合
- 全国統一模擬試験Ⅰ:170点前後/345点中 (約50%)
- 全国統一模擬試験Ⅱ:190点前後/345点中 (約55%)
- 全国統一模擬試験Ⅲ:210点前後/345点中 (約60%)
勉強スケジュールを立てる時は、統一模試の時期や目標点数を決めておくと勉強の進み具合が明確になりますよ♩
卒論、就活は可能なら早めに終わらせておこう!
薬剤師国家試験の勉強をスムーズに進めのに、できるだけ早く手をつけておきたいことが就活や卒論などの国試勉強以外の時間です。
卒業試験や卒論発表の時期は大学ごとにまちまちなので、卒論の研究などをできるだけ早めに終わらせておくぐらいしかできませんが、就職活動に関しては話は別です。
就職活動を国試が終わってから始める方もたまにいますが、個人的には国試勉強に差し支えないようにできるだけ早く就職活動を始めておくのが良いと思います。
おすすめの日程としては、4月〜9月の時期で終わらせておきましょう。
薬局や病院、ドラッグストアなど就職活動の参考になる無料の情報サイトはいくつかありますが、「ファーネット」や「薬キャリア1st」などは登録して情報をできるだけ集めておくようにしましょう。
「ファーネット」や「薬キャリ1st」は薬学生の就活で参考になる情報や求人情報を無料で見ることができるサイトなので、薬学生は登録してしっかりと薬剤師の就職活動がどんな感じなのか知っておくといいと思います。
「arp(アープ)」に関しては、情報サイトというわけではなく就活コーディネーターがサポートしてくれるので、就活に自信がない方や絶対希望の職場で内定を貰いたい方に利用をおすすめします。
詳しくはこちらの記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
薬剤師国家試験の勉強はいつから始めるのがいいか?
薬剤師国家試験までの流れを説明してきましたが、じゃあ実際に国試の勉強はいつから始めるのがいいのでしょうか?
結論からお話すると国試の勉強は今すぐにでも始めてください!
薬剤師国家試験の勉強にかかる時間は膨大ですし、人によっては後半焦ってしまい勉強が思っているほど手につかない人も出てきます。
できるだけ、時間にゆとりを持つためにもこの記事を見て勉強を開始してみてください。
ただ、「今すぐに」と言っても、どのくらい勉強に時間がかかるか目安が知りたいという方のために、もう少し詳しく解説します。
勉強に必要な期間はどれくらいか?
薬剤師国家試験の勉強には個人差がありますが、一般的には約6ヶ月から1年の期間が必要だと考えてください。
これは、薬剤師としての基礎知識や専門知識を網羅するために必要な時間です。また、学習ペースや就活・卒論のスケジュールにもよりますので、自身の能力や状況に合わせて計画を立てることが重要になってきます。
正直、薬剤師国家試験の出題範囲の膨大さは、実際に青本などをやってみることではじめて分かるものです。
青本などを購入した時点では、分厚い本でやる気も出ずにすぐに始める人はなかなかいないと思いますが、一度どんな感じなのか手をつけることをおすすめします。
正直僕は青本で勉強をはじめてすぐに「ああっ、これやべぇ~」と感じました(笑)
学習開始の目安となる時期は?
学習開始の目安を知るために、以前僕のInstagramアカウントにてフォロワーさんに「薬剤師国家試験の勉強はいつから始めたのか?」聞いてみました。
そのアンケート結果がこちらです。
これを見て分かるかと思いますが、1番多いので6年生になってから開始している人の割合です。
4月から始めている人と8、9月までに始めている人の割合を足すと、70%以上にもなることから意外にもみんな勉強の開始時期はしっかりと確保していることが分かると思います。
8、9月までに開始している人が意外に多い理由は、1回目の模試を受ける前後だからだと考えられます。
このアンケート結果の目安から、出来れば4月から遅くとも8、9月くらいまでには勉強を開始するようにしてください。
薬剤師国家試験の模試はできるでけ無駄にしたくない
すぐにでも勉強を始める最後の理由は、薬ゼミの模試を無駄にしないためです。
はじめにもお伝えした通り、6年生になると国家試験対策の模試が1年に3~4回は必ずあります。
1回目の模試が9月にありますが、勉強を早めから開始することでこの模試自体が自分の勉強した範囲の確認や復習にすることができるんです。
逆に勉強をしていない状態だと、模試はほぼ勘で答えるだけのお金の無駄になってしまう可能性があります。
模試は国家試験の本番のスケジュールで行われるので、せっかくの機会を無駄にしないためにも少しでも単元を終わらせておくことをオススメします♪
以上の理由から、薬剤師国家試験の勉強はできるだけすぐにでも始めるようにしましょう。
おすすめの薬剤師国家試験までの勉強スケジュール
ここからは薬剤師国家試験までのおすすめの勉強スケジュールを解説していきます。
時期別で細かく勉強する内容を書いているので多少前後しても構いませんが、基本的にはここで紹介する順番で勉強するのが1番効率的に勉強が進められると思います。
ぜひ自分の勉強計画に当てはめて参考にしてみてください。
ちなみに模試でどのくらいの点数を目標にするといいのかは、下記を参考にしてもらうといいと思います。
時期 | 試験 | 目標点数 |
---|---|---|
7~9月 | 第一回模擬試験 | 4〜5割 |
10~11月 | 第二回模擬試験 | 5〜6割 |
12~1月 | 第三回模擬試験 | 6〜6.5割 |
12月~1月 | 卒業試験 | 点数が出るなら合格ラインを狙おう |
2月 | 薬剤師国家試験 | 合格ライン:6割5分 |
【4月〜10月】効率的な勉強の順番はこれだ!
まずはじめに4月〜10月のスケジュールですが、この期間はひたすら青本の勉強を進めていく時間にあてるようにしてください。
色々な参考書などもありますが、基本的に薬剤師国家試験の勉強の軸になるのは青本です。まずは青本などの教材を徹底的に勉強するようにしましょう。(※オレンジブックなど学校の教材に準じた参考書で問題なし)
青本の領域は自分の好きな順番から始めてもらって構いませんが、効率を求めるなら物理/化学の基礎教科から開始して、薬理→病態→薬剤の順番に進めのが1番おすすめです。
- 物理/化学の基礎教科
- 薬理と病態をセットでするのがおすすめ
- 薬剤
- その他の領域
なぜこの順番がおすすめなのか詳しく話をしていきますね
この順番が1番効率良い理由
この順番で勉強計画を立てる理由は、国家試験の足切りの問題と他の領域とのつながりを持たせるための2つの理由です。
まず1つ目の理由ですが、毎年「必須問題」の各30%という足切りに引っかかる方のほとんどが物理と化学の基礎教科の領域が原因ということです。
この2教科は理解科目なので勉強するのも時間がかかりますし、苦手としている人が多い教科です。もし、勉強する順番を最後の方にしてしまうと意外に時間がかかることも含めて、焦りが生まれてしまう可能性があります。
できるだけ、最初の方に多少時間がかかっても片付けておくようにしましょう。
また2つ目の理由は、薬理の知識は他の科目でも活用できる場合があることや薬の名前が出てきた時に復習ができるからです。
できれば薬理➕病態という感じでセットで勉強できると相互に理解も深まりますので、できる方は一緒に勉強してみましょう。(薬剤は薬理の薬の知識の復習で使えます)
【11月〜12月】苦手分野の復習とサブ教材の活用時期
11月には第二回の模擬試験が開催されますが、この模擬試験は順当に勉強が進んでいると、青本を1周勉強した状態で受験できると思います。
青本を1周終わった状態なら、模擬試験の点数は5.5割〜6割くらいを目標にしておきましょう。
第二回の役ゼミ模試の結果をしっかりと分析して、全国平均に対して自分の得点率が低い領域を重点的に復習するようにしてください。
この時期は領域ごとの苦手分野をしっかりと潰すことに時間をかけると、後々足切りなどの心配も解消されます。
個人的におすすめの方法は、苦手分野の確認ノートや単語帳などを作成して常に復習する勉強法です。
また、青本以外のサブ教材(自分で購入した参考書など)も復習目的で活用するのもいいかもしれません。
青本1周では身に付かなかった領域の復習には、結構時間をかけてもいいと思いますよ。
【1月〜2月】過去問の繰り返しと、規則正しい生活を目指して国試本番へ
1月〜2月はいよいよ国試まで大詰めなので、ここから先はひたすら国試に慣れることを考えて勉強してください。
具体的には過去問を国試の時間割に合わせてひたすら解いていきます。
僕は国試の過去問は5年前までの分を解いて復習しましたが、これは人それぞれ考えがあると自分のペースで決めるといいと思います。
ただ、大事なことは過去問を何年分解くというよりも、過去問と同じような問題が出た時に間違えないことです。
厚労省から発表されている国試の内容に以下の項目があります。
過去に出題された試験問題(既出問題)の取り扱いについて
〇既出問題のうち、薬剤師に必要な資質を的確に確認することが可能な良質な問題として一定の評価が与えられた問題を活用することとし、その割合は、20%程度とする。
ただし、既出問題が十分に蓄積されるまでの間に活用する割合は、この限りではない。
厚労省の資料「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」より引用
簡単にいうと、「国家試験の内容に過去問から20%程度出題するよ」って文章なので、過去問から出題された内容は確実に抑えるようにしましょう。
また、この時期は国試に向けて規則正しい生活をすることも重要です。
せっかく国試に向けて勉強していても、本番で体調を崩してしまったら意味がありません。国試の時間割に慣れるためにも、就寝時間や起床時間には気を付けるようにしましょう。
まとめ:薬剤師国家試験の勉強はしっかりとスケジュールを立てることで効率的に進めよう
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- 薬剤師国家試験の本番は2月
- 薬ゼミの統一模試が計3回(9月、11月、1月)
- 勉強の順番は物/化の基礎科目→薬理&病態→薬剤→その他がおすすめ
- 4月〜10月で青本を1周は終わらせる
- 復習は模試の結果などで苦手が多い分野を11月〜12月で行う
- 過去問は遡る回数よりも次出た時に間違えないように勉強する
以上のような内容になります。
薬剤師国家試験の勉強は戦略的に進めていくことで、同じ時間勉強しても全然結果は変わってくるものです。
国試までの流れや日程などをしっかりと把握して、自分の勉強計画を立てる参考にしてみてくださいね。
薬剤師国家試験の悩みや相談などあれば、インスタやTwitterの方でDMして頂いて構いません。皆さんが合格できることを祈っています。