【苦手を克服!】精神科薬剤師がおすすめする精神領域を学べる5冊の本を徹底比較

悩む薬剤師

精神科を勉強できる本を探しているんだけど、どれがいいのか分からない。

こんな悩みを持っている方けっこういませんか?

『精神科は難しいから本を読んで勉強しよう!』とネットで調べても、書籍の数が多くて自分の勉強にどれを購入すればいいか分からなくなります。実際に僕自身も精神科の薬局に配属されたての頃、勉強しようと本を探したことがあります。

ですが、、

ヒロザル

正直どれが参考になるか全然分からなかった、、。

せっかくお金をかけて本を購入するなら、めちゃくちゃ役立つものを選びたいですよね?そこで本記事では、実際に僕が今まで読んできた精神科領域の書籍の中でも特におすすめの本を5冊紹介します。

僕は精神科で働いている薬剤師で普段からInstagramを通して発信活動もしています。

これから精神科を勉強しようと考えている方や精神科に苦手意識がある方にはおすすめできると思います。精神科の本を購入するのに失敗したくないと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

▼本だけでなく精神科の勉強法が知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

本記事をおすすめしたい方
  • 精神科の勉強ができる本の購入を検討している方
  • 精神科の本の比較や違いを知りたい方
  • これから精神科の勉強をしていこうと考えている方
目次

精神科薬剤師のおすすめ勉強本5選

精神科の本で迷う薬剤師
精神科のおすすめ本が分からない

まずはじめに今回紹介する5冊を一覧にしました。

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商品特徴価格評価

ゆるりとはじめる精神科の1冊目
これ1冊でほぼ網羅している
適応外処方が分かる
内容が濃いので離脱の可能性あり
4620円

薬剤師のための 精神科の薬
適応外処方が多い
症例検討が多い
病態が少な
4950円

精神科の薬がわかる本 第4版
医師の処方意図が分かる
病態まで詳しい
ほぼテキストなので苦手な人もいるかも
2420円

精神疾患にかかわる人が最初に読む本
精神疾患特有の病態が分かる
イラスト多めで読みやすい
薬剤や病態の解説はな
1760円

こころの治療薬ハンドブック 第14版
同種同効薬が分かる
+αに最適
薬剤特化で病態少なめ
2970円
各書籍の比較表

上記の5つが実際に僕が読んでおすすめしたい精神科の本になっています。

薬剤師向けの本ということで薬剤系の本が多いですが、精神科では病態をおさえておくことも重要になりますよ。

1.ゆるりとはじめる精神科の1冊目

正直やる気があるなら、まずはこの本を買ってみてください!

初心者からでも理解しやすいように精神科の病態と薬剤情報の項目が分かれて解説されています。

僕個人の意見ですが、精神科では病態をおさえないと薬の勉強もしにくと考えているので、この本はそういった面で勉強に使えます。

適応外処方に関しても引用文献ガイドラインベースで使い方が載っているので、精神科でわけが分からなくなる処方意図も勉強できます。

また、この書籍の最大の特徴は精神科特有の副作用の解説です。

精神科では副作用で注意しないといけないものが多くあり、その副作用が20種類紹介されています。

書籍内で紹介されている副作用例(一部)
  1. 悪性症候群
  2. 錐体外路症状
  3. セロトニン症候群
  4. リチウム中毒
  5. アクチベーション症候群  など

正直副作用に関してはあまり解説していない書籍も多いので、これは本当にありがたい。

最後の章では事例解説も載っているので、本当にこれ1冊で精神科のことが分かる書籍です。

ヒロザル

僕自身も精神科で書籍の購入を迷っている方には、まずはこれをおすすめしています。

2.薬剤師のための 精神科の薬 処方の意図を読む

次におすすめする本は日経BPから出版されている『薬剤師のための 精神科の薬 処方の意図を読む』です。

著者の吉尾隆先生は日本精神薬学会の理事長も務めている先生で、精神科のよく分からないを解決するためにこの本を作ったとおっしゃっています。

この本の最大の特徴は症例ベースでの解説をしている点です

内容としては精神科領域の5分野を中心に症例を用いて解説しているので、とにかくスラスラと読むことができます

精神科領域の5分野
  1. 大うつ病性障害(うつ病)
  2. 双極性障害
  3. 神経症性障害(神経症)・心身症
  4. 統合失調症
  5. 認知症

精神科で働いているわけではないけど、「内科などで扱う最低限の精神科の勉強はしてみたい」と考えている方にはとても読みやすいかもしれません。

ヒロザル

症例ベースだと実際に多いケースなども勉強できますね。

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3.精神科の薬がわかる本 第4版

医師がどのように考えて処方を出しているのかを知りたい方は、『精神科の薬がわかる本 第4版』がおすすめです。

こちらの書籍は精神科医が執筆しており、医師が普段からどのように考えて精神科薬を処方しているのかが分かります。

本の内容は「病態の説明+薬剤の解説」という感じで書かれており、とても読みやすくガイドラインベースで紹介されています。

まとめられている疾患は大きな単元で5つ+小単元で細かく解説している作りです。

本で解説している疾患
  • 抗うつ薬
  • 睡眠薬&抗不安薬
  • 抗精神病薬
  • 抗てんかん薬
  • 認知症薬

その他で、パーキンソン病薬や夜間せん妄の治療薬など解説されています。

最大の特徴は、医師目線での薬の使い分けが分かることです。

抗精神病薬なら「リスペリドンはこのような場合で使用」「アリピプラゾールはこういった効果が強い」など詳しく解説されているので、精神科での薬の使い方を特に知りたい方におすすめです

ヒロザル

実は僕のInstagramの内容もこの本を参考にしていることも多いです。

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4.精神疾患にかかわる人が最初に読む本

全く毛色は違うけど、精神科で働き出す方におすすめしたいのが『精神疾患にかかわる人が最初に読む本』です。

薬剤師だけでなく、看護師や患者さんのご家族の方も含めて、精神疾患の患者さんに対してどう接していいか分からない方に読んでほしい1冊。

内容としては精神疾患の症状をイラストを多めに解説しており、患者さんがどのように考えているのかなどを知る助けになります。

「錯覚や幻覚の違い」や「うつ病患者さんが考える自分の価値観などの過小評価」等を知ることができるので、精神科で働く際に薬物治療の知識以外の部分を勉強するのに使えます。

書籍内で分かる病態の知識
  • 支配観念
  • 強迫観念
  • 作為思考
  • 微小妄想
  • 誇大妄想 など
ヒロザル

細かな病態の違いがイラストでわかるので、本当に読みやすい

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5.こころの治療薬ハンドブック 第14版

最後に紹介するのは第14版が最近発売になった『こころの治療薬ハンドブック 第14版』です。

この本の特徴は、精神科で使用する薬剤の辞書的な位置付けという点です

どういうことかと言うと、精神科の主要薬剤のすべてを1つずつ見開きページでわかりやすく解説しています。

同種同効薬の使い分けの把握にはかなり使える良書だと思います。
ただ、その反面で精神科の病態をおさえたい方向けの本ではありません。

精神科薬を普段からよく使用することが多い方の「プラスα」的な本になると思います。

こういった方におすすめ
  • 精神科薬を普段からよく扱うので違いを知りたい方
  • いざと言うときのため、薬局や病院で精神科薬の本を持っておきたい方
  • 後発品など含めて精神科で扱う全ての薬を一覧で調べたい方
ヒロザル

今日の治療薬のように薬局に1冊置いておくと便利ですよ

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番外編:精神科の治療をより詳しく知るために

最後に精神科での勉強に対する書籍ではありませんが、精神科領域で働く医療従事者にとって読んでおいてもいい本を紹介します。

それが精神科医としてYouTubeで発信している益田先生の『精神科医の本音 (SB新書)』という書籍です。

この本は何がすごいかって、「正直ここまで話をして大丈夫なのか?」と思わせるほどの精神科の診療についての内容です。

精神科で働いていると、「先生の診察が間違っているのではないのか?」とか「診察時間が短すぎる気がする」など様々な点で気になることが出てきます。

この本は患者さんに伝えたい精神科の本音という内容で書かれていますが、医療従事者が知っても「なるほど!」となるポイントが数多く散りばめられています。

精神科医の本音の目次
  1. 精神科医の本音とは
  2. 精神科医をどう選ぶか
  3. 精神科診療の実態
  4. 医者が言わない薬物治療・精神療法の現実
  5. 患者に伝えたい本当のところ
  6. 病院・クリニックの現実
  7. これからの精神医療

薬剤師として精神科の薬物治療の知識だけではなく、診療に関することや制度に関することなどより深いところを知りたい方にはぜひおすすめの本になっています。

正直、これだけ結構な内容が書かれていて990円という値段も衝撃です!

ヒロザル

病院やクリニックの診察の実態を知る上では本当に面白い本ですよ。

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まとめ:自分の知りたいポイントをおさえて精神科の本を選ぼう

本で勉強する薬剤師
自分に足りない部分を知って本を選ぼう

今回は薬剤師が精神科領域を勉強するのにおすすめの本を紹介しました。

▼今回紹介した本の一覧

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薬物療法
病態知識
適応外処方
その他まずはこれ
1冊から
症例から
学びたい方
医師目線の
治療方針が
わかる
精神科の
特徴的症状や
患者背景がわかる
精神科の
薬の辞書的な
位置付け
精神科病院の
診察のことや
診療への向き合い方
価格4,620円4,950円2,420円1,760円2,970円990円
各書籍の比較
ヒロザル

どの本も一長一短あるので、自分のおさえたい内容で選ぶのをおすすめしますよ♪

精神科領域は苦手とする方が多いのも知っています。ですが、ここ数年で精神疾患を抱えている患者さんの数は増加傾向です。今後は精神科だけでなく、内科などでも処方される可能性も出てくると思います

その時に「苦手だ!」と逃げ続けてることもできないと思うので、これを気にしっかりとおさえておくようにしましょう。

精神科領域の勉強に参考になれば幸いです。

以上、薬剤師ヒロザルでした!

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