これから就活をするんだけど、新卒薬剤師の年収ってどのくらいなんだろう?年収は高い所がいいけど、できるだけブラックな企業は避けたいな~。
本記事では、こんな悩みを持つ薬学生の疑問を解決します。
こんにちは、薬剤師ブロガーのヒロザル(@hiro_zaru3294)です。
何かを選択するときに最も重要になることが、相場を知っておくということです。
就活の際は新卒薬剤師の年収相場を知っておくことで、内定が決まってからも後悔しないような選択ができると思います。
そこで、本記事ではこれから就活をする薬学生向けに新卒薬剤師の平均年収を紹介します。
また一緒に就活でいい職場を選ぶ4つのポイントも解説するので、これから就活をする薬学生は自分の職場選びの参考にしてみてください。
薬剤師の就職活動は他の職業と違い少し特殊な職業なので、先輩薬剤師としての体験談も踏まえてお話したいと思います。
新卒の年収だけでなく、「職場ごとの将来的な平均年収も一緒に知りたい」という方は以下の記事をご覧ください。
>>【必見】薬剤師の平均年収を完全公開|年収アップに繋がる行動を3つ紹介します!!
- 新卒薬剤師の平均年収(病院、薬局、ドラッグストアなどの違い)
- 薬学生が職場選びで注意する点3選
- 新卒でいい職場を見つける4つのポイント
新卒薬剤師の平均年収(初任給)は?
新卒薬剤師の平均年収(初任給)は職種によって金額が変わってきます。
一般的に、薬局やドラッグストアは病院に比べて年収は高い傾向にあるという認識がありますが、実際のところはどんな感じかと言うと、以下の通りです。
初任給(月収) | 平均年収 | |
病院 | 約20万~25万円 | 300万~350万円程度 |
調剤薬局 | 約22万~35万円 | 350万~400万円程度 |
ドラッグストア | 約30万円前後 | 350万~450万円程度 |
製薬企業(MRなど) | 約22万円~30万越え | 300万~350万円程度 |
初任給でもらえる月収は税金も含まれている金額になります。実際の所は月収から1万~2万円程度の税金が引かれた金額が手取り給与です。
1年目は税金が少ない!?
よく聞く話かもしれませんが、社会人1年目は住民税が引かれないため手取り額も2年目以降よりも多くもらえます。住民税は前年の所得に応じて翌年に課税されるので、1年目の年収に応じて2年目は少し手取りが下がることを覚えておきましょう。
とりあえずは、相場感として職種ごとの年収を把握しておきましょう。
薬剤師の新卒の年収は高いの?
一般の平均年収と比べて薬剤師の年収は高いのでしょうか?
「令和2年 賃金構造基本統計調査」によると、大卒の初任給の平均額は22万6000円(通勤手当含む)です。
男女別で見ると、男性は22万7200円、女性は22万4600円となっています。もちろん、平均年収は金額が高い企業に引っ張られる傾向がありますが、病院や製薬企業で働く場合とほとんど変わりない金額となっています。
調剤薬局でもしっかりと考えないと初任給では低い場合もあるかもね。
医療系の多職種との年収差は?
それでは次に、他の医療従事者と比較するとどうなのか見ていきましょう。
職業 | 初任給(平均) | 年収 |
薬剤師 | 職種毎に変わる | 約560万円 |
医師 | 約30~35万円 | 約1200万円 |
看護師 | 約27万円前後 | 約500万円 |
※看護師の月収は夜勤手当等を含めての金額
こうやって見ると、薬剤師の初任給は職種によってかなり差があることが分かると思います。
病院によっては、医師以外のコメディカル(薬剤師や看護師、放射線技師など)の給料を統一している職場もあるそうです。
初任給を考えるときに、いかに職場で金額が変わってくるか理解してもらえると思います。
もちろん自分がしたいことができる職種で選ぶのが一番ですが、職場選びで年収相場が変わってくることも頭に入れておこう。
薬学生が職場選びで注意するポイント3選
薬学生が職場を選ぶ際に、年収以外にも注目するポイントがあります。
ここでは、そのポイントを簡単に解説していきます。
- 年収だけでなく、昇給や昇進はどの程度できそうか?
- 薬剤師の人数などの把握(1人薬剤師など)
- 時間外勤務や休日情報
薬剤師として働いて転職をする人のほとんどが職場への不満で転職しています。年収などの情報も大事ですが、入ってから長続きできるような職場を選びましょう。
薬剤師として、将来同じ会社で働き続ける人は全体の30%程度しかいません。ほとんどの人は、転職を経験していますがやはり入社した会社での不満がある場合はどうしても転職に繋がりやすいので注意しましょう。
年収だけでなく、昇給や昇進はどの程度できそうか?
最初に薬剤師の新卒初任給を紹介しましたが、年収だけでなく昇給や昇進はどの程度できそうかも調べておきましょう。
一般企業の場合、昇給は平均3000円/年程度の会社が多いと言われています。
薬剤師の場合は職場によってピンキリですが、公務員薬剤師(地方自治体の病院など)で5000~7000円/年程度昇給していくそうです。
5000円/年程度と思う方もいるかもしれませんが、昇給するのは基本給にあたる部分です。
基本給はボーナスにも影響するので、5000円の昇給はボーナスを4ヶ月分と換算すると、
5000円×12ヶ月分+5000円×4ヶ月分(ボーナス)=80000円になります。
昇給の金額によっては年収が大きく変わってくることが分かりますね。
また、昇進に関しては元々薬剤師は昇進しにくい職業だと知っておきましょう。
薬剤師は管理薬剤師を目指すことはそこまで難しくはありませんが、そのあとの昇進がなかなか進まないことがほとんどです。
大手調剤薬局では生涯昇進はなく管理薬剤師のまま終わる人は珍しくありませんし、病院に就職しても薬剤部長が定年になるまでは昇進はできないという話もよく聞きます。
昇進を狙っていきたい方は中小企業を検討するのもひとつだと覚えておきましょう。
管理薬剤師の給料は、手当として通常の給料に2万円~5万円程度上乗せする会社が多いです。管理薬剤師の責任や仕事量から割に合わないと考える人もいますが、その後の昇進を狙うなら必ず通る道と考える必要があります。
薬剤師の人数などの把握(1人薬剤師など)
就活をする際は、働く職場の薬剤師の人数なども把握しておきましょう。
大手の調剤薬局などは薬剤師の人数の確保はしっかりとしていますが、中小企業だと1人薬剤師の薬局なども多く存在します。
入社してからすぐに1人で薬局を任せることはありませんが、1~2年のスパンを経て1人薬剤師で管理薬剤師にさせる会社もあります。
1人薬剤師は絶対にやめた方がいいというわけではありませんが、経験が少ないうちに1人薬剤師になることは知らないことも多いので困ることも多々あります。
下記に1人薬剤師のメリット・デメリットをまとめてみました。
良い例
- 職場環境は自分次第になるので、人付き合いが嫌いな方には向いてる
- 仕事の状況によっては時間の確保もしやすい
- 採用薬や後発品メーカーなどは自分の考えで決定できる
- 他に頼る人がいないので法規の勉強や薬の勉強は必然的にしっかりとできる
悪い例
- 薬局で起きる調剤過誤は自分の責任になる
- 多少体調が悪い場合もなかなか休みをとることができない
- 調剤や投薬業務以外の仕事が増える
向いている人もいると思うので、自分の性格を考えて検討してみましょう。
※就活で人事担当者に始めに聞いておくと後々後悔することはありませんよ
時間外勤務や休日情報
勤務時間関係の内容についてもしっかりと把握しておきましょう。
- 時間外労働時間は毎月どの程度あるのか?
- 休日は固定なのかシフト制か?
- 週休完全2日制かどうか?
- 勤務時間の概要(24時間薬局は特に注意)
基本的に勤務時間は会社によってまちまちなので、これもしっかりと人事担当者に確認しましょう。
薬局によってはDrの夜間帯の呼び出しても対応する場合もあるので、注意が必要です。
新卒でいい職場を見つける4つのポイント
ここからは新卒でいい職場を見つける方法を紹介します。
まず始めに知っておいて欲しいことは当たり前ですが、就活はできるだけ早く始めましょう。5年生の実習が終わってから動きだしても早すぎることはありません。
製薬業界を狙っている人は特に早いに越したことはないですよ。
いい職場を選ぶ4つのポイント
- 教授や先輩に話を聞く
- インターンシップ(実習)を利用してコネを作っておく
- SNSなどのソーシャルメディアを活用する
- 就職サービスを活用する
詳しく解説していきますね。
教授や先輩に話を聞く
自分の研究室の教授に薬局や病院などどんな職種を希望しているかは話をしておきましょう。
薬学部の教授の元には、企業などから学生勧誘のお話が必ずきています。
教授は学生には信頼のある企業を教えてくれることが多いので、自分の就職先の参考になると思います。
また、卒業している薬剤師の先輩に話を聞くことも大事です。特に自分の希望している会社に就職した先輩の話は現場の状況を正確に聞けるためどんな職場なのかリサーチすることもできます。
先輩に話を聞くメリットは、さきほど紹介した注意するポイントも一緒に聞くことができることだよ。
インターンシップ(実習)を利用してコネを作っておく
製薬企業を考えている人は、5年生のうちにインターンシップに参加しておくことをオススメします。
インターンシップは職場探しの参考になるだけでなく様々メリットがあります。
- 会社や業界に対する理解を深められる
- 自分の興味や適性が分かり、自己分析に繋がる
- 社会人として必要なビジネスマナーに気づける
- 他大学の薬学部の知り合いが増える
特に他大学の薬学生と知り合う機会はとても少ないので、情報交換やモチベーションのアップにも繋がります。
SNSなどのソーシャルメディアを活用する
これは最近の主流ですが、SNSなどのソーシャルメディアを活用する方法も有効です。
特にTwitterやInstagramなどでは、インターンシップや就職に関する情報を発信している企業もたくさんあります。
SNSでは求人情報などを仕入れることができるだけでなく、現役の薬剤師から会社の話を直接聞くこともできます。
自分の興味がある企業に行っている先輩がいないときなどは、SNSを通じて話が聞ける人を探してみましょう。
就職サービスを活用する
就職支援サービスを活用することも会社を見つけるためには有効な方法です。
就職支援サービスをしている会社は、薬剤師業界に精通している所がほとんどです。
自分の知りたい情報を第三者の意見として参考にしてみるといいでしょう。
薬学生が知っておきたい就職支援サービス
マイナビ薬学生ナビ
大手求人会社「株式会社マイナビ」が運営するサイトで、学生向けインターンシップの情報や就活向けのマナーなどを取り上げて紹介しています。
マイナビ薬学生ナビでは、企業検索やWebセミナーなど様々な薬学生に活用できるツールを無料で使用できるサイトになります。
先ほど紹介したインターンシップのスケジュールなども知ることができるので無料登録しておいて損はないでしょう。
薬キャリ1st
薬キャリ1stは医療従事者向けサイト大手の「m3.com」が運営する薬学生向け就活支援サービスです。
こちらもマイナビ薬学生ナビ同様、インターンシップの情報や説明会などの情報を網羅しているサイトになります。
こちらも無料登録することで、就活でのビジネスマナーなどの記事や面接での話などを確認することができます。
マイナビ薬学生ナビ同様、無料登録だけでもしておきましょう。
いずれも暇な時間に就活情報の記事を読んだりできるのでオススメです。就活は情報をできるだけ持っている方がいいので無駄になることはないですよ。
まとめ:新卒薬剤師の平均年収は300~450万円程度。職種や会社によって大きく変わるので就活はしっかりと‼
今回は新卒薬剤師の年収事情を詳しく解説しました。
職種で差は大きいが大事なことは会社選びです。
新卒薬剤師の平均年収は以下の通りになります。
病院薬剤師:300万~400万円→初任給20万~25万円
調剤薬局:350万円~400万円→初任給22万~35万円
ドラッグストア:350万円~450万円→初任給30万円前後
製薬企業:300万円~350万円→22万~30万円越え
もちろん、こちらは平均なのでもっと高い会社も存在します。
また、年収も大事なポイントですが薬学生が就活で会社を選ぶ際に注意するポイントは3つあります。
年収だけでなく昇進や昇給はどの程度可能か?
最初に提示された金額は高くても、昇給や昇進のシステムがしっかりとしていないと薬剤師は年収が伸びにくいので後々苦労します。
出来るだけ昇給が年でいくらくらいか?昇進のシステムはしっかりとしているかを把握しておきましょう。
職場での薬剤師の人数はどの程度いるか?(1人薬剤師など)
特に調剤薬局や調剤併設型のドラッグストアで働く方向けですが、職場での薬剤師の人数を把握しておきましょう。
1人薬剤師の職場で後々後悔した等があると年収が高くてもストレスがかかってしまいます。
ただ1人薬剤師には向いている方もいるので、一概にダメというわけではありません。
時間外勤務や休日情報
勤務時間の把握はしっかりとしておかないと、時間外労働時間が予想より多かったり休日が不規則だったりする場合があります。
職場によっては完全週休2日制の場所もありますが、半休×2+1日休みみたいな会社も多いので注意が必要です。
新卒でいい職場を選ぶ方法
薬学生が新卒でいい職場を見つける方法は以下の4つです。
いい職場を選ぶ4つのポイント
- 教授や先輩に話を聞く
- インターンシップ(実習)を利用してコネを作っておく
- SNSなどのソーシャルメディアを活用する
- 就職サービスを活用する
昔に比べて入社してからこんな会社とは思わなかったとなることは少なくなってきていますが、それでも情報を仕入れておくことは重要です。
情報を仕入れても自分の希望する職場の求人が終わっていたら意味がないので、出来るだけ早めに行動することも必要です。
5年生くらいから就活を始めると後から焦ることはないと思いますよ。
ここで読んだ内容で皆さんの就活が成功することを祈っています。