「薬剤師として働いているけど、自分が思っているより給料が上がらない…。」
「最近は副業ブームだし、自分でも薬剤師の資格を生かした副業がしたい」
こんな風に考えている薬剤師の方もたくさんいるかと思います。薬剤師は平均よりも収入は多いですが、給料を上げていくのは難しい職業です。
ですが、副業として本業以外に収入を得ることで、本業だけよりも大きく収入を増やすことができます
そこで、今回は薬剤師でもできるオススメの「副業」とその始め方やどのくらい稼げるのか実際に副業をしている僕の体験談も踏まえて紹介します
実際に副業をするなら注意して欲しい点も載せているので、ぜひ合わせて読んでみてください
- そもそも薬剤師が副業をすることはできるのか?
- 薬剤師ができるオススメ副業10選
- 薬剤師副業の体験談(実例紹介)
- 副業での注意点
そもそも薬剤師が副業をすることはできるのか?
副業を紹介する前に、そもそも薬剤師は副業をすることができるのか?について話をします
結論から言うと、「一部の薬剤師はできない副業もある」となります
では、どんな薬剤師が副業が禁止されているか詳しく説明していきましょう
管理薬剤師と公務員薬剤師は副業が禁止
管理薬剤師と公務員薬剤師は副業が禁止されています(※管理薬剤師は一部の副業)
管理薬剤師に関しては、「医薬品医療機器等法 第7条の3(薬局の管理)」に記載されており、副業をすると法律違反にあたります
薬局の管理者(第1項の規定により薬局を実地に管理する薬局開設者を含む。次条第1項において同じ。)は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない
引用:医薬品医療機器等法 第7条の3(薬局の管理)
上記のように管理薬剤師は、自分の勤めている薬局以外で働くことができないことになっています
注意が必要なのは、管理薬剤師の肩書きはなくても1人薬剤師の場合、薬局の管理を担うことが相当されるので、管理薬剤師にあたる場合があります。肩書きだけに気を付けておきばいいわけはないことを覚えておきましょう
ですが、逆に言えば薬事に関する副業の禁止になるので、今回紹介する副業の中でも挑戦することができるものもあることを理解しておきましょう
また、公務員薬剤師に関しては副業に関してはかなり厳しめです。こちらは、「国家公務員法第103条」に記載があります
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
引用:国家公務員法第103条
管理薬剤師と違い、薬事に関わる副業などの内容もないので、基本的に公務員薬剤師は副業はできないと思っていたほうがいいでしょう
- 薬局の一般薬剤師
- ドラッグストアの一般薬剤師
- 病院の一般薬剤師
- 一般企業の薬剤師
会社の就業規則で副業禁止か確認
法律で禁止されていなくても、会社で副業が禁止されている場合もあります
就業規則によっては、「業務に支障をきたさないよう」「企業機密の漏洩防止」などの理由で副業を禁止している会社もあります
就業規則は、法的な拘束力はありませんので、管理薬剤師や公務員薬剤師と違って法律違反にはなりません
ですが、副業がバレた場合に何らかの罰則などが設けられている場合もあるので、必ず就業規則は確認しておきましょう
副業が公に解禁になる流れ
ここ数年での労働者を取り巻く環境の変化もでてきています
厚生労働省は働き方改革のために、平成30年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成しました
ガイドラインの内容で注目する点は、
- 労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であること
- 原則として、労働者は副業・兼業を行うことができること
上記のような項目が盛り込まれており、副業に関する政策はこれからもどんどん肯定されていくと思います
薬剤師も昔のように隠れて副業をする時代から、公に副業をできる時代が近づいているかもしれません
薬剤師ができるオススメ副業10選
それでは、さっそく薬剤師にできるオススメの副業を紹介していきます
紹介する副業は以下の内容になります
- 派遣薬剤師(薬局薬剤師)
- ドラッグストア
- メディカルライター
- アフィリエイトブログ
- せどり
- プログラミング
- webデザイン
- 動画編集
- ハンドメイド
- YouTube
上記10点について詳しく解説していくので、興味があるものに挑戦してみましょう
派遣薬剤師(薬局薬剤師)
薬局薬剤師は副業をする上で、新しいことを覚える負担が少なくなるのでオススメです。
時給も2000円代から募集しているところが多くなっており、転職サイト調べによると、「2500円~3300円」ほどが平均です。
病院薬剤師をしている人は、基本的には土日休みの病院等の場合だと、土曜日1日空いている薬局の求人を探すことで1日で2万円ほどの副業になります
また、現在薬局薬剤師として働いている方でも、午後休診日に合わせて単発で働くことで1万円程度の働き方も可能です。
病院薬剤師の友達の話では、意外と薬局薬剤師の副業をしている人も多いとのことなので、今ある薬剤師の資格がそのまま生かせる副業として費用もかからず始めてもいいかもしれません。
ドラッグストア
薬局薬剤師よりも休みの日程を比較的に心配しなくていいのが、ドラッグストアです
24時間営業している店舗も多くなってきているので、本業の仕事が終わってから夜間手当などを含めて稼ぐことができます。
病院薬剤師、薬局薬剤師ともに働くことができるのも魅力の一つですね
夜勤に強い方は、時給も高くなるのでがっつりと稼ぐことができる副業になります
また、ドラッグストアの求人に関しては、自分で探すこともできますが、時間をかけるのが嫌な方はこちらも求人サイトを利用してみるといいと思います
薬局薬剤師を探すときと同じように探すことができるので、一緒に探すといいかもしれません
メディカルライター
次に紹介するのが、メディカルライターとしての副業です
メディカルライターは薬剤師の知識を十分に活用でき、文章をまとめる力であるライティングスキルも鍛えることができます
よくGoogleなどの記事で見かける、「頭痛に良く効く痛み止めの種類」「眠くなりにくい鼻炎に効く漢方薬の選び方」などの記事は薬剤師が副業として執筆しているパターンが多いです
報酬は、1文字=1円などの文字単価の記事や10記事を書いて数万円など様々です
仕事を探す場合は、「ランサーズ」や「クラウドワークス」などサイトから薬剤師向けのライティング案件を探すのが取り組みやすいと思います
記事の案件を獲得するには、自分が得意とする内容をアピールすることが重要です
例えば、「漢方薬の知識には強いため、漢方薬関連の記事が書ける‼」とか、「薬剤師の転職についての記事を自分の経験をふまえて書ける」などの強みがあると1文字あたりの単価が上がってきたりします
ランサーズ等で敷居が高いと思えば、求人サイトのマイナビ薬剤師にも求人相談ができると思うので登録してみてもいいかもしれません
転職サイトの登録に敷居が高いという方ははクラウドソーシングで自分で仕事を探すことも可能です。
アフィリエイトブログ
アフィリエイトブログとは、ブログやサイトを作り、集客した人たちに商品を売ることで、企業や広告代理店から仲介料(広告宣伝費)をもらうものです
薬剤師の知識を活用してブログを作成することもできるので、自分だけのサイトを作りたい方などにオススメの副業です
サーバーの設定・ブログの開設・ライティングなどの知識は必要になりますが、Googleなどで調べることですぐに分かると思います
月々の費用が1000円程度と初期費用が安いのに、得られる収益の可能性は青天井というのも大きな特徴です
ブログで書いた記事はネット上にずっと残るので、働かなくても収益を生んでくれるという点もオススメの理由です(ストック型の副業)
デメリットとしては、まとまったお金が出るまでに時間がかかりやすく、コツコツ記事を更新する必要があるので、正直記事執筆など興味がない人には向きません
ただ、ブログで情報発信することで「m3.com」などの執筆が決まった方もいるので、夢は大きいと思います
副業ブログについては、他の記事でも詳しく紹介しているので興味がある方は一度覗いてみてください
せどり
せどりは、安く仕入れて高く売って「利ざや」を稼ぐ副業になります
お店やネットショップで仕入れた商品をネットで販売する、個人規模の小売ビジネスという感じですね
現在では、便利なネットアプリなどの無料ツールを使って、利益の出る商品を見つけやすくなっているので、早ければ初月から利益がでます
初期費用は、梱包資材の実費と商品の仕入れ代がかかるので、比較的まとまったお金が必要にはなります
注意点としては、「せどりは違法行為ではないが、転売できない商品もあるので初めのリサーチは必要です」
知り合いにせどりをして、1カ月で10万円単位の収益をあげている方もいますが、実働時間もけっこうかかるとのことなので自分の好みで考えてください
プログラミング
プログラミングは、まだまだ人材が少ないため、高収入を狙いやすく、需要も高い副業です
時間と場所にとらわれず、学習コストも安いことで在宅での副業を考えている人にオススメです
初期費用として特別高価なパソコンやソフトを購入する必要がないので、手持ちのパソコンで試しに挑戦してみる価値は十分にあります
こちらも、「ランサーズ」や「クラウドワークス」を利用して仕事の案件を獲得することができ、1カ月で10万円~50万円以上も狙えます。
デメリットとしては、向き・不向きが非常にあり、案件を獲得するのに必要な一定レベル以上に達するまでは大変ということですね
webデザイン
WEBデザインは、WEBサイトの使いやすさや見た目の美しさに重要な「デザイン」を担う副業です
絵を描くだけの仕事ではなく、全体の構成やバランス・ユーザーの利便性などを考えながらデザインを構築する、意外と幅広いスキルが求められるものです
初期費用としては、プログラミング同様にパソコンや無料で学べるツールはありますが、一般的には有料ソフト(1ヶ月数千円程度~)を使うことが多いのでその費用がかかります
プログラミング等と一緒で、時間や場所にとらわれず在宅ワークに向いている副業ですね
需要も高いことから、1ヶ月で10万円~50万円以上を狙えます
動画編集
動画編集は、YouTubeや企業から提供される撮影動画を編集する副業です
YouTubeなどの拡大により、これから需要が増えて伸びていくことが考えられる市場です
WEBデザイン同様、こちらもパソコンに加えて一般的に有料ソフト代(1ヶ月数千円程度~)が必要になります
需要が増えており、仕事の案件が見つけやすいのも特徴で、最近ではSNSなどを通じて動画編集の仕事をしている人同士で副業をしている人も見かけます
1ヶ月の目安収益は、数万円~10万円以上を狙えます
ハンドメイド
手作りのオリジナル作品を作って販売する副業がハンドメイドです
細かい物作りが好きな人や自分の空いた時間で作業をしたい人に向いている副業です
販売方法も最近では増えてきており、以下のようなやり方があります
- フリマアプリやハンドメイド販売サイトに登録して販売
- ハンドメイドイベントへの出店や委託販売
- 個人でネットショップを開設して販売
少額からほぼノーリスクで始められるメリットがあり、時間をかけて自分のブランドを確立することで大きな収益を狙えます
自分のブランドを確立するのに時間がかかることがデメリットですね
1ヶ月の期待収益は、数千円~10万円以上になります
YouTube
説明する必要もないかもしれませんが、いわゆるYouTuber(ユーチューバー)の副業です
現在は、「ビジネス・学び」「日常系」「ゲーム実況」など様々なジャンルがでており、収入源は主に広告収入です
初期費用としては、専用な機器を取りそろえると結構な負担になりますが、現在はスマホで撮影して簡単な編集をすることもでき、費用なしでも始めることができます
動画をみる人口はどんどん拡大しているので、市場は大きくなっていることもメリットです
また薬剤師ユーチューバーもまだ少ないため、興味があれば新しい分野を開拓することもできます
注意点としては、登録者数1000人以上で年間再生時間4000時間以上ないと広告収入は得られず、それで広告収入は0.05~0.1円/1再生になります(※2021年2月現在)
けっこう敷居が高い分、初めは動画を100点でなくてもどんどんアップする必要があります
以上が薬剤師にオススメする副業10選です。最近は、初期費用が少ないものが多くなっているのでリスクは全くありません。まずは自分で興味があるものから挑戦していくことが大事ですね。
薬剤師副業の体験談(ブログ)
実例として、副業ブログをしている僕の体験談を紹介します
僕は、2020年9月からこの「薬剤師ヒロザルブログ」を開設して副業ブログを始めました
現在、開設して半年ほど経っての状況として参考にしてください
Q:1日の副業時間は?
A:現在は1日のブログ時間を1時間程度取って作業をしており、その時間で月に4~5本程度記事を作成できています
Q:1ヶ月の収益は?
A:収益は広告収益がメインで月に1000円満たない程度になります。ブログは時間のかかるものですが、半年ほどで結果がでる人もたくさんいるのでやり方次第なイメージですね
Q:ブログを始めて良かった点は?
A:始めは収益だけに目を向けてブログを始めましたが、副業としてブログをして良かったことはいくつかあります。
- PCサイトの仕組みの理解や文章力の向上に繋がる
- ブログ以外の違う分野で生かせる(現在、Instagram「hirozaru3294」も運用している)
- ブログジャンルによるが、薬剤師の知識アップに繋がる
Q:副業ブログで大変なことは?
A:毎日の時間確保が難しいですね。どんな副業でも一緒だと思いますが、どれだけ時間をかけれるかが重要だと思います
Q:副業ブログが向いている人?
A:薬剤師として情報発信をしたい人にはかなりオススメです。ブログから情報サイトの記事作成依頼が入った人もたくさん見てきました。何度も言いますがまずは、興味があるなら始めてみることですね(笑)
他に聞きたいことがあれば、ブログ内の質問フォームやTwitter(@hiro_zaru3294)などで何でもDMしてください。できるだけ、分かりやすくお教えします。
副業での注意点
最後に副業をする上での注意点を紹介します
副業をする上で必ず知っておいた方がいいことなので、しっかりと目を通しておきましょう
大事なポイントは3つです
確定申告をする
副業である程度まとまった収入がでてくると、確定申告が必要になってきます
[jin_icon_bulb]確定申告の条件は、「年間の収入が20万円を超える場合」になります
月に2万円程度安定して収入が出る場合は、「申告納税制度」に則って「所得税」の申告が必要になると覚えておきましょう
副業を始めたばかりで収入が年間20万円に満たない場合は、確定申告は必要ないので安心してください
副業をしていることを会社に報告しておく
副業について会社に報告しておくことも重要です
先ほどの確定申告に繋がりますが、収入が増えてきた場合は自分で確定申告をする必要があるため、会社から「所得税」の税金分が増えたことでバレる恐れがあります
会社によっては、副業がバレることにより退職させられることはなくても、何らかの罰則が発生する場合があるので後で後悔しないためにも先に報告しておきましょう
※どうしても隠れて副業をする必要がある方は、一応バレないようにする方法はありますがあまりオススメはできません(気になる方は調べてみてください)
本業とのバランスを気を付ける
副業での時間配分を考えましょう
人によっては、副業に集中し過ぎて本業がおろそかになる方もいますが、あくまで副業は本業に影響が出ないようにしてください
オススメは、1日の副業時間を決めて作業することです
副業を始めたばかりの頃は、時間を使い過ぎてしまうことが多いので時間を決めてすることで本業への負担を減らせます
薬剤師の副業は転職サイトを利用してみて
薬剤師関連の副業をする上では、1人だと情報を集めることも大変だと思います
「薬剤師転職サイト」をうまく活用して探してみてください
1.マイナビ薬剤師
派遣薬剤師だけでなく、メディカルライターなどの副業を考えている方におススメなのがマイナビ薬剤師です
薬剤師求人数も多く紹介されており、アドバイザーに副業を検討している旨を相談することで、企業のネットワークを通じて様々なアドセンスをもらえます
また、薬剤師に限らず求人も多く紹介してくれるので、副業の紹介サイトとしてはもってこいです
2.ファルマスタッフ
ファルマスタッフは「日本調剤グループ」が運営する大手転職サイトです
コンサルタントがしっかりとあなたの希望に合わせて求人を紹介してくれます
薬局薬剤師、ドラッグストア薬剤師の派遣副業を考えている場合は、コンサルタントに希望の条件を伝えると、自分の希望に合った求人を見つけてくれます
3.薬キャリ
医療系大手「m3.com」が運営する求人サイトです
薬剤師の派遣など、1日からでも働ける求人を持っています
難易度は高いかもしれませんが、医療系サイト「m3.com」ということもあり、メディカルライターなどの副業を考えている人にも相談してみて損はありません
派遣薬剤師に関しては、福利厚生もしっかりとしており副業を始める際に安心して働くことができる点も魅力の一つです
まとめ:薬剤師のスキルアップも考えながら、まずは興味がある副業から始めてみよう
副業と聞いて、「100万円稼げる」「不労所得」と考える方も多いかもしれませんが、大きすぎる目標を持つと長続きしないものです
まずは、薬剤師としてのスキルアップも視野に入れながら、自分の興味がある副業を始めてみましょう
当たり前ですが、副業は始めてみないと分からないこともたくさんあります
副業について調べても、「実際に始める人は10%以下」だと言われています
100%の継続よりも、70%の出来で続ける方が収入にも繋がりやすいので。コツコツと続けれるように、月1万円を目標に頑張ってみてください