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抗うつ薬等価換算ツール 使用ガイド
このツールの詳しい内容は下記をご覧ください。
概要
このツールは抗うつ薬の種類間での等価用量を換算するための参考として作成されました。日本精神科評価尺度研究会の「向精神薬の等価換算 2017年版」のデータに基づいており、患者さんの薬剤切り替え時や処方設計の参考としてご利用いただけます。
対象薬剤
このツールでは以下のカテゴリーの抗うつ薬の換算が可能です:
SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
- フルボキサミン (150mg)
- パロキセチン (40mg)
- パロキセチンCR (50mg)
- セルトラリン (100mg)
- エスシタロプラム (20mg)
SNRI (セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
- ベンラファキシン (150mg)
- デュロキセチン (30mg)
- ミルナシプラン (100mg)
NaSSA (ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
- ミルタザピン (30mg)
四環系抗うつ薬
- マプロチリン (150mg)
- ミアンセリン (60mg)
- セチプチリン (6mg)
TCA (三環系抗うつ薬)
- アミトリプチリン (150mg)
- クロミプラミン (120mg)
- イミプラミン (150mg)
- ロフェプラミン (150mg)
- ノルトリプチリン (75mg)
- トリミプラミン (150mg)
- ドスレピン (150mg)
その他
- トラゾドン (300mg)
- スルピリド (300mg)
使用方法
- 元の薬剤を選択
- 左側のセクションで、現在服用中または変更元となる薬剤を選択します
- 薬剤はカテゴリー別に分類されており、選びやすくなっています
- 現在の用量を入力
- 選択した薬剤の現在の用量をmg単位で入力します
- 小数点以下の入力も可能です(例:12.5mg)
- 変換先薬剤を選択
- 右側のセクションで、変更先となる薬剤を選択します
- 換算結果の確認
- 入力完了後、下部の「換算結果」セクションに等価用量が表示されます
- この値は理論上の参考値であり、個々の患者さんの状態に応じた調整が必要です
注意事項
- 参考値としての使用:換算値はあくまで理論的な参考値です。実際の臨床では、患者さんの状態、年齢、合併症などを考慮した調整が必要です。
- 漸減・漸増の重要性:抗うつ薬の切り替えは、副作用や離脱症状のリスクを最小限にするため、通常は漸減・漸増方式で行います。急な切り替えは避けるべきです。
- 医師の判断:実際の処方変更は必ず医師の判断のもとで行われるべきです。このツールは参考情報の提供を目的としています。
- 個人差:抗うつ薬の効果や副作用には大きな個人差があります。標準的な換算値が全ての患者さんに適用できるわけではありません。
換算の仕組み
このツールでは、日本精神科評価尺度研究会の「向精神薬の等価換算 2017年版」に基づいて、各抗うつ薬の一般的な等価用量を用いて換算を行っています。
例えば:
- フルボキサミン 150mg
- パロキセチン 40mg
- セルトラリン 100mg
- エスシタロプラム 20mg
これらは理論上、同等の抗うつ効果を持つとされる用量です。
薬剤師ヒロザルからのメッセージ
このツールは精神科領域でのお薬の理解を深め、患者さんとの対話をサポートするために作成しました。公式な等価換算データに基づいていますが、抗うつ薬の選択や用量調整は非常に繊細なプロセスであり、単純な数値だけでは決められないことが多いです。
患者さん一人ひとりの状態に合わせたきめ細かなケアが大切です。このツールが医療現場での参考情報として、また患者さんご自身の理解を深める一助となれば幸いです。